2019.06.05
Rosaで走る二回目のプレステージは、群馬県・武尊山周辺。
季節は梅雨の前、おそらく一年の中でも最も緑が美しく、風が気持ち良い季節。
最高の舞台はととのっているのに、今年の私は春からずっと不調のままだった。
それでも、Rosa練と称したディスパの良いルートを何度も走り、不調ながらも丸一日走ることや3000mUP程度を走ることを繰り返してきた。
ひとりだったら、とてもそんな練習してないと思う。
Rosaのメンバーと一緒だから、どんな状況であっても一緒に走ってくれるという安心感があるから、不調でも走ろうと、いや走らねばと思えた。
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迎えた当日は、また別の女性ならではの不安材料を抱えてのスタート。
一日お付き合いしながら乗り越えねば...。
しかし走り出してしまえば、気持ちはとても晴れやかで、終始ただ気持ち良く走ることができた。
少し朝もやのかかる木々の隙間から、美しく降りそそぐ真新しい日差し。
まだひんやりとした風が、まぶしさに頬をつたう一筋を吹き飛ばす。
山の新緑と空の青さに、口角は広がったまま走る。
目の前には等間隔にピンクのジャージが見え、山中の目印のよう。
補給食をすべて持って走る作戦は、立ち寄りの時間を圧倒的に少なくでき、疲れたらのぼる途中で一旦足を止めての一分休憩を、細かく挟んで進む。最後に到着する私は、山頂で止まらずに下山することでもロスタイムを減らそうとしていた。
獲得標高が3000m近くになると、さすがにガクンと疲れもたまり、さらにのろのろ運転になっていく。それでも、事前に作ったタイムテーブルと照らし合わせると、イーブンか少し貯金があるくらいで、焦ることなく走れた。
そして、約10時間40分の私たちのプレステージは、最高のゴールを迎えた。
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何も言葉はかわさなくても、ずっと誰かがそばで私に合わせて走ってくれた。
あとどのくらい、このペースで大丈夫だよと、何度も何度も励ましてくれた。
他のチームの方々も、すれ違うたびに声をかけてくれた。
自分だけが不調と戦いながら走ってるように感じるかな?と思ったけど、全然私は孤独じゃなかったし、全然つらくもなかった。
それは明日香ちゃん、たっきー、恭ちゃんのおかげだし、落合くんとか山崎さんとかのおかげだし、初めて会った他チームの優しいライダーたちのおかげでもあった。
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私にとって、プレステージってなんなんだろう。
以前ジェントルマンズレースだったころは、当時珍しかったグラベルを含む困難なルートを制限時間内に走破することに意識が集中していた気がする。
今は走破すること自体ではなく、走破するために「私たちがチームでできること」の方に意識が向いている。
練習ライド、事前の準備・計画、前日から当日へ向けてのマネジメント。
全てに4人全員が気持ちを揃えて取り組める、寄り添い合える、そんな状態になれたことが、本当に素晴らしいことだと感じている。
え? うん、やっと?
あぁ、今回やっと本当のスタートラインに立てたのかもしれない。
これから、きっともっと面白くなっていくにちがいないね。