2014.12.25
映像系自転車乗りであるお知り合いがFacebookで紹介していたのをたまたま見つけて、さっそく行ってきました。
公開初日に映画館へ行くなんてとっても久々。
内容は全て事実、ありのままの約10年間を記録したドキュメンタリー。
それなのに、物語のように錯覚させられてしまう音楽と映像のコンビネーション、あるいは個性豊かで言いたいことを言う登場人物たち。
そこにはテレビで見るドキュメンタリーのように、製作者が「見ている人に感じて欲しい結末」を意図したような構成には感じられず、まったくありのままをかいつまんでいるようにみえた。しかし、ただ流れる時系列の事実というにはあまりに芸術的なその一瞬一瞬のセレクションが、私を映画の世界へと引き込むのだった。
なるほど、美術館の外側だけを残して解体された様子や絵画の修復作業などは、なかなか見ることのできないことだし、話のあいまに見ることができる作品の数々は、スクリーンを通してさえもすばらしいと感じられる。
しかし、なんといっても一番おもしろいのはやはり登場人物たちの言動であった。
それぞれの利害関係で必死でうったえる者、自分が担当することについて多大な愛情をそそぐ者、あきらめる者、あきれる者、あんどする者、よろこぶ者。
「事実は小説より奇なり」がぴったりくるような映画だった。
ラッキーなことに、初日の私が観た回は、上映後に森美術館キュレーターさんのトークショー付き。
こちらのお話も、非常に興味深く、映画とトークショーで1800円とは実に充実したプログラムだった。
[MOVIE Official site]
http://amsmuseum.jp/